2011年1月9日日曜日

1/8土曜 ひよこ豆のスープ

スープを食べて貰いたくて始めた「スープ屋」キャンペーン。そのメニューの中、2つ程入れ替えた。で、無くなった「ひよこ豆のスープ」が2人前残っていたので「賄い」となった。

仕込んで以来、久方ぶりに口にしたけど、自分で言うのも何だけど、充分に美味い。時間が経って味もこなれているし、彼の地ベネズエラで食べた味のイメージに近い。当店でも実現している、「ライム(彼の地には、これしか無い。レモンってものは無い。)」を絞って、「辛いソース」をいれて食う、彼の地のスタイルも完璧に調和している。

もつとも、彼の地の味は、当店のスープより「野菜」が少なく「肉系」が多いし、煮込み方も長くて、もっと「こってり」「混沌」とした味になっているが。

その「肉系」。大概が「牛」「豚」「鶏」に係わらず、「内蔵系」を使う。
彼の地の国民の9割は、自分がいた当時、日本円で月収2~3万程度。そんな彼らが買える「肉系」は大体そんな部位になってしまう訳。ま、それも買えるなら良い位なんだが。で「豆」も、色々な種類が、大体「安い」、と言うか、買える値段。

つまり、こういった豆料理は、彼の地の国民の9割を占める「貧乏人」の食い物であり、「家庭料理」と言うこと。どうして「スープ」にするかと言うと、「スープ」にすると量が増え、腹がとりあえずはいっぱいになるから。で「ニャーメ(ヤム芋)」を乾燥させて作った「キャッサバ」と言う、腹入れるとやたらに膨らむ「パン」状の物を食って、腹を持たせる。

だから、豆の料理は本来、レストランで「おしゃれ」に「かしこまって」食う物じゃない。聞いた話だと、ヨーロッパ辺りでも「豆」は家庭料理らしいし。どうもその辺のギャップがきつい。

もっとも、日本じゃ「豆」は高級品。「ひよこ豆」も輸入品だけで、けっこう良い値段。



2011年1月8日土曜日

1/7金曜 粕みそ味の牛筋丼

先日スーパーに行ったら、年末に大量に処理したらしい、大量の「牛筋」があった。

ちなみに「処理」と言うのは、普通肉は屠畜後、大きな処理場で「日本的部位」に分けられ、「真空」「チルド」「冷凍」にして流通する。販売店の現場で、その「部位」の「脂」「筋」等を掃除して切れ分けられ、パック詰めにされて売られる。「日本的部位」と表現したのは、例えば「アメリカ」「韓国」なんかじゃ、それぞれの国の食の慣習に沿って「部位」は分けられていて、日本とは違うから。

スーパーで売られる「牛筋」は、客として見た感じ、おおよそ2種類ある。
1、そのスーパーで処理した物。
2、大きな処理場で処理された「牛筋」として流通している物。

で、その「1」の場合、お宝が有る事がある。こんな事言っちゃあ失礼かもしれないが、スーパーで肉の処理をしている方は、あまり上手ではない様に見うけられる。証拠に「筋」にごっそり「肉」が付いてる。いつぞや、どう見ても「霜降り和牛」の「筋」で、半分以上普通の「肉」の部分。自分で掃除し直して、大変美味い焼き肉をしたことがあった。

ちなみに「2」の場合、流石に「プロ」の仕事で、純粋に「筋」しか入っていない。下手すると下の方に「鬼筋」と言って、煮ても焼いても「食えない」固い「筋」が隠されている事がある。ご用心。

話が脱線しまくってしまった。
そんな事言いたいんじゃなくて「見た目新鮮でうまそうな「筋」が大量に売っていて、それを買った。」事を言いたかっただけ。

でそれを、いつもはしょう油で甘辛く煮るのだが、今回は「味噌」煮にして仕上げに「酒粕」を入れてみた。ちなみにこれは嫁の発案。

まずは「筋」をフライパンで、脂を焼き溶かしながら、いい焼き色を付ける。こうする事によって、表面の臭みを「香ばしさ」に変える。「筋」を適当な、大きさに切る。火を入れてから切るのは、「筋」を縮めておいてから切った方が大きさを揃える事が出来るから。一度熱湯に潜らせて、余計な脂を落とす。で、圧力釜で15分位かな?ヤワヤワにする。

大量のしょうが、にんにくをごま油で炒め「筋」の煮汁を投入、「甘味」を付け「筋」を軽く煮て「味噌」を投入。いい加減に煮詰めて、好きなだけ「酒粕」を溶き入れて完成。

今回は「玉ねぎ」「椎茸」「こんにゃく」なんぞも入れてみました。が、その辺、それぞれ解説したら大変な事になるので、面倒くさいから省略。今度機会が有りましたら。

「大葉」「七味」等でおしゃれして、めでたく「賄い」となりました。ちなみにこの「筋の煮込み」明日っからの「お通し」です。乞うご期待。

もう一個、スーパーで今シーズン発の「生わかめ」が売っていたので、味噌汁となりました。「日本人で良かった」と思える味。すんごい「好き!」。




粕みそ味の牛筋丼


生わかめの味噌汁

2011年1月7日金曜日

1/6木曜 カレーもち

「カレーそば」やら「カレーうどん」の「そば」「うどん」の代わりに「もち」を入れたから「カレーもち」。


正月の雑煮用に買った「もち」が有る上に、頂き物もある。ありがたいこと。雑煮ばかりも飽きるので、「カレー」なんぞかけてみた。ら、美味かった。

いつも話題にするように、洋食屋には「カレー」の材料はあふれている。今回は、あまりに「余り物」が多すぎて、味はあまりいじれなかったが、「そば」「うどん」の類と同じに、しょう油ベースがよかろう。

一個「賄い」のメニューが増えた。


2011年1月6日木曜日

1/5水曜 トマト煮のミートボールのパスタ

新製品「ミートボール入りレンズ豆のスープ」を作った時残ったミートボールと、暮れにお通しで使った「トルティージャ=スパニッシユオムレツ」の残りのトマトソースが合体。残り物の再利用、合体は「賄い」の正しい姿。


にんにく、とんがらしを大量に追加、玉ねぎも入れて「賄い」としちゃ味も出来過ぎ位。

トマト煮のミートボールのパスタ



ところで新製品「ミートボール入りレンズ豆のスープ」。「ひよこ豆のスープ」に変わってスープのメニューに登場。

彼の地ベネズエラでは、内蔵系の肉を使って作るのが、普通。安い材料の組み合わせで、早い話「貧乏人」の食い物。90%が「貧乏人」の国だから、国中ほぼ何処でも誰でも食べている家庭料理と言うこと。家庭料理だから、「これっ」て形もない。

作った次の日、豆が「ぐずぐず」になったのを好んで食う奴も多かったから、日本の「カレー」の発想と似たような物。地球の裏側でこうなのだから、だいたい人間、考える事は同じと言ってもいいじゃないのかな。

内臓系の味は好き嫌いも多いので、牛肉はあまり使う事もないので、たまに使ってみました。
ともあれ、彼の地で覚えた味。珍しくベネズエラ料理です。よろしくお願いします。


ミートボール入りレンズ豆のスープ

2011年1月5日水曜日

1/4火曜 宮木さん家のお雑煮

家の奥様の実家の雑煮は「スルメ、昆布」の「出し」に、「里いも、芋がら、ごぼう、大根、つと、せり」が入る。

我が家で子供のころから食べてた雑煮は「鶏」の「出し」に、「ごぼう、人参、竹の子、わらび、高野豆腐、つと、三つ葉」が入る。

多分、家庭の数だけ雑煮の数はあるんじゃないかな。

初めて奥様の実家の雑煮を食べた時は、正直驚いた。「スルメがはいる?」想像も付かなかった。今は正月元旦の恒例で、今年は三が日連続で食べた。自分が美味そうに食ってるとこを、奥様の母さんが嬉しそうに見てる。

今年は新事実が分かった。
奥様ん家の雑煮にはかつて、「いくら」が入っていたそうな。「今は、ほら、高いからそんな物入れないけど。なんかねぇ白くなって…」との証言。話しには、そんな雑煮があること聞いたことあるけど。

「食いてー!!」正月早々、好奇心がうずうず、疼くのでした。




2011年1月4日火曜日

1/3月曜 冬のメニュー

1月3日から営業スタート。
明けましておめでとうございます。今年も当ブログともどもよろしくお願いします。

ついでに「冬のメニュー」も始まってしまっているので、写真取りかたがた「本日の賄い」となりました。で、「冬のメニュー」をご紹介。


牡蠣の酒粕グラタン
そもそもは「銀だらの粕漬け」をパスタにしたら美味いかも。と、言う所から開発スタートしたメニュー。

確かにそれは美味かった。けど、多分「粕」が美味いのであって「銀だら」じゃなくてもいいかな?って事で迷走が始まった。

「生鮭」「塩鮭」「パスタじゃなくても…」「グラタン?」「鮭じゃなくても…」etc.。生でも塩でも「鮭」は「鮭」で美味い。けど寒い時期、やっぱり「牡蠣」でしょ。で、この「牡蠣の酒粕グラタン」と言う形になった。

和の発酵食品である「酒粕」が、洋の発酵食品のチーズと好相性。食べた事のない、新しい「チーズ」の様なイメージ。また、それが「海のミルク=牡蠣」とも好相性。あまりの事に、当店冬のメニューの定番となってます。


 鹿のたたき
「鹿肉」は、本来は下手をすると「牛肉」以上にクセのない「肉」。
その昔、血抜きが完全ではない「鹿肉」が出回って、「臭い」イメージがある方が多い。

その上、フレンチ等なんかじゃ「ジビエ」と称して、他のクセのある肉と「十把一絡げ」に、クセを殺し易いけど、肉その物の味も無い物にしてしまう「赤ワイン煮」にする事が多い。

当店では、「肉」その物を楽しめる「たたき」に。表面だけを焼いてある。
肉の生臭さ(魚もそうだけど)は、空気に触れてしまうからだと思うけど肉の表面にある。その表面を焼いてやれば「生臭さ」を、「香ばしさ」に変える事が出来ちやう。一石二鳥。当然のことながら、血抜きも完璧。肉の味がストレートに感じられます。

ソースは当店自慢、忍路で作って貰った、世には余りない青唐辛子「エンジョイ」をピクルスにして粉砕した「辛辛ソース」に、しょう油を加えた物。これで刺身系を食うと美味いの何の。野菜も多めに添えて……。




ハムステーキ ブルーベリーのソース
南樽市場、新南樽市場にある肉屋「深澤商店」のオリジナルロースハムを使用。
ここの燻製商品群はどれも高品質、好みの塩梅。今や小樽名物の一つで、週末は観光客でごった返している。

豚肉は甘い味が合う。
フルーツを添えたり、フルーツのソースを使ったりをよくする。証拠に、例えばトンカツ屋のソースは甘いのが多い。
今回はブルーベリーをただ煮詰めただけで、何も加えていないソースを添えました。

蛇足ながら、付け合わせの「ザワークラウト」は100%自家製。生のキャベツを塩漬けするとこからやっています。酸味は酢ではなく、乳酸菌発酵で出したもの。いわゆる「酸っぱい漬け物」であります。小樽のみならず、100%自家製はそうはないはず。





 ぶりのトマト鍋
当店冬のメニュー定番の一つ「ほっけのツミレ、トマト鍋」の「ツミレ」を、今年は「ぶり」に変更してみた。

トマトは偉い!
だいたいどんなの材料でも、その酸味、甘味、旨味、水分等の複雑でなんとか形にしてしまう。今世界中でこれだけ料理に使われる野菜は無いんじゃないだろうか。

「ぶり」を数種の野菜と一緒にトマトで煮て、香り付けに日本の香草「春菊」を乗せ、さらにチーズを乗せてある。和洋ぐちゃぐちゃながら、トマトがみごとに、どの味も違和感なく、仕上げている。

やっぱトマトは偉い。

2011年1月2日日曜日

12/31金曜 年越しそば

頂き物、生タイプの「江丹別そば」でありました。
真剣に作られた物の様で、大変に美味しゅうございました。

とまあこの際、「そば」がどーたら言っても何ですし、大晦日ですし、ご挨拶をば。

今年始めたこのブログではありますが、予想以上に見て頂いている様で、大変有り難い事でございます。正直ここのところネタ切れ気味ではありますが、「あー、こんな事考えて料理作ってんだ。」と思って頂ければ嬉しゅうございます。

来年も頑張りますので、よろしくお願いいたします。