「ナポリタン」なんざ子供の頃は大嫌いだった。
白い物に色が着いている事がどうもダメ。
例えば「カツ丼」、
「白いご飯」と横に「カツとじの皿」ならOK、
「ご飯」の上に乗るのはNG。
オイラは好きなバランスで「ご飯」と「おかず」を食いたい。
「丼物」はその自由の範囲を狭くする。
同じ意味で「ソース焼きそば」もNG、
だってどこを突ついても「ソース」の味にやられている。
「ソース味」が嫌いなんじゃない「バランス」の問題。
そんなんで、自由に出来る「あんかけ焼きそば」はOK。
だから「ナポリタン」も嫌い、
高校時代の「エンゼルスパゲティ」は何時も「ミートソース」。
それが後々「一人暮らし」な生活になると、
「経済」「手間」「道具」等々の「必要」に迫られ「丼物」がOKになる。
「コックさん」を始めると「好き嫌い」も、仕事上言っていられなくなる。
なんし「吉野家」は避けては通れないし、
「こんなん食える訳無いじゃん」って料理の係りに何故かなっちまう。
「そんなこんな」があって、
偏食だった時分、友人達が「ナポリタン!」と、
「トロける」様な表情をするのは「理解」出来る訳ない。
そんな「トロけた」顔だった友人達は、
今、「遠く」を見ながら「ナポリタン」とつぶやく。
当店の「ナポリタン」は特製ソースで提供させて頂いている。
が、「こんなんじゃなくてよ、ケチャップだけのやつ」とは良く言われる。
まあ、それじゃあ商売になんねえ。
しょうがないところ。
がしかし、今は自分も「酸いも甘い」も分かる大人。
「遠くを見ながらつぶやく」気持ちは理解できるし、
「ケチャップ」で真っ赤の「ナポリタン」もまた良い。
"newport"宮木英貴
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