「不味い。」「飽きた。」思わず箸を止めてしまう。
「酢」をかけたって、「辛子」を付けたって。
増してや「紅生姜」を乗っけったら、事態は余計に深刻になった。
前日が、自分達の「飯」の事まで考えが及ばない程、「バタバタバタバタ」で、
当日、買い物中の「スーパー」で、「賄い」を模索。
「30円引き」のシールにつられて、「焼売」を手に取りつつ、
「具なしの"あん"をかけた"焼きそば"に、焼売をのっけようか」と閃く。
嫁が、「具なしは寂しい」との発言に、
じゃあってんで「もやしと長ネギ」を入れる事に決定。
「もやし」は「安さ」の王様、「長ネギ」は頂きもんがある。
「あん」のスープ何ぞを仕込んでいる時間は無いので、
お手軽「中華味」の奥の手、「味覇(ウェイパー)」にお願いするつもり。
が、以前手に入れた「中国製乾麺」のおまけの、
小袋「粉末スープ」を思い出した。
小袋「粉末スープ」を思い出した。
例えば
「納豆のタレ、芥子」「パックの刺身のワサビ」「市販弁当のしょう油、ソース」
「スーパーの餃子のタレ」「焼きそばの粉末ソース」etc.etc.etc.……………。
そんなのを「いつか使うだろう」ってんで、
「チマチマ」取ってある。「セコセコ」貯める。
いつの間にか冷蔵庫の片隅には、そんな小袋が山になっている。
誰もが、身に覚えがあるだろう。全く「無駄の横綱」クラスだ。
「何かのサービス」「料理ベタのヘルプ」「独身男への思いやり」
なのか、何のつもりなのか、一向に無くなる気配が無い。
大体において、その辺の「小袋」が美味かった試しはないのだが、
何故か、「チマチマ」「セコセコ」になっちまう。ま、ただの貧乏性だが。
で、その、「中国製乾麺」のおまけの「粉末スープ」。
「御多分に洩れず」不味い。
「いろいろ工夫でもすりゃ」と思い、何とかしたつもりだったが、
いざ食事の段で、素性は露見する。
多分そいつは「味の素」系の物に、何か香り成分を付けただけの代物。
嫁に言わせりゃ「平べったい味」、まさしく「言い得て妙」。
「化学調味料」は、あくまでイメージだが、
口の中に「バリア」「幕」を貼った様にしていまう。
結果、他の味がしなくなる。
「もやし」「長ネギ」「麺の小麦粉の味」etc.
この度の「賄い」には、シンプルとは言え、諸々「材料」は使われている。
その「味」が、しない。
「後味」も悪い。口の中は「ベタベタ」する。
今日にでも、そのお粗末な「粉末スープ」は、
廃棄処分にしよう………。
newport宮木英貴