2012年9月30日日曜日

9/29土曜 しょう油ラーメン


「パイカ」発見。
たまーに、そこらの「スーパー」でも見ることができる。

「パイカ」は、「豚バラ」の軟骨の部分。
「包丁」では、割に難なく切り分けることが出来るが、
ちょっとやそっと「煮たり」「焼いたり」しても、
てんで「歯」が立つ固さではない。

これを「圧力鍋」で煮込んで「ヤワヤワ」「フルフル」にしようって寸法。

なんせこの「パイカ」、「バラ肉」の延長だから、脂身は余計に付いている。
し、肉屋の「何処で」「何時」「どんな風」に切ったもんだか分かりゃしない。
変な臭みも付いている事もある。
この「脂」「臭み」を、茹でて落すのも、一つの「手」だが、
長々と、「脂」が流れる程に茹でちゃっちゃあ、
「お湯」に肉の「旨味」を流しちゃってる様で勿体無い。

で、先ずは「沸騰した湯」でザッと洗って、さらに流水で洗いザルに上げる。
これで、「臭み」はあらかた流れる。
これを、デッカいフライパンに並べて、弱火にかける。
しばらくすると、「脂」が「ジクジク」染み出て来る。
良い焼き色が付いたら、ひっくり返す。

そのうち、自分の「脂」で「揚がる」程に「脂」が出てくる。
「焼き色」のおかげで、「臭み」も、香ばしい「香り」に変わる。
この「手」だと、「豚肉の旨味」は封じ込められるだけ。

これを、ザルに上げて「脂」を切る。けど下水に、直に捨てちゃあダメ。
冷まして、ビニール袋に入れて「燃えるゴミ」に出す。
勿論「炒め油」にする「手」もある。なんせそれは「ラード」だ。
これで、肉の下ごしらえは終了。

ここまで来りゃ、後は簡単。

「圧力鍋」に用意した肉と、好きな「味」の煮汁を作って入れて、煮込むだけ。
「豚」だし、「味」は「甘辛く」しときゃあ間違いない。
「味の濃さ」も、柔らかくなった後でも調整は効くから、
「めちゃ濃く」しない限り、適当でしょ。

「沸騰」後、30分~45分で「ヤワヤワ」「フルフル」に出来上がり。
今回は、私、「砂糖」「しょう油」「中国しょう油」「花山椒」であります。


「煮込む」料理は、「煮込まれる材料」「煮込む煮汁」の味の交換。
「煮込まれる材料」は、「煮込む煮汁」が染み込み、
「煮込む煮汁」は「豚肉の旨味」「軟骨のコラーゲン」がタップリ。
この「煮汁」、捨てる訳にゃあ行かない。「豚」に失礼だ。
で、仕方なく我々の「賄い」になるわけです。

今回は「煮卵」まで作って、「ラーメン」が美味かったのは、言うまでもない。

ちなみに「圧力鍋」を検索したら、やたら物騒な「サイト」にたどり着いた。
もう明日っから、テロリストになれそう。

newport宮木英貴




2012年9月29日土曜日

9/28金曜 カレー


先日は、当店で我がバンド「newports」のライブ。
多数のご来場、ありがとうございます。


そのライブ、3年余前から、毎度「食い放題カレー」を出させて頂いております。
立派に「名物」になっているとは、思いたいところですが……。

当バンド、参加メンバーがほぼ「プロ」。
な、もので、仕事をしていただく以上、
「人件費」つまり「ギャラ」を払わにゃなりません。
そのため、ライブ専門の小屋でもない、
超ローカルな「当店"newport"」での「ライブ」であるに関わらず、
それなりの、入場料を頂いております。

その辺心苦しく、せっかく「食い物屋」の当店に来て頂くのだから、
「せめて、腹イッパイになって帰って頂こう」と思ったのが、
この「カレー食い放題」を始めた理由です。

「カレー」は洋食屋にとっちゃ、「材料」「技術」どれを取っても、超得意科目。
そこらの材料を、それなりに「アレンジ」すりゃ、「カレー」は出来ちゃいます。
そんなこんなで、
実は、当初は「有り合わせ」「手ェ抜き抜き」のつもりだったのですが、
回を重ねるうちに、「本気」になっちゃって、
最近では、凄ーく「手間」「暇」かけて「カレー」を仕込んでおります。

今回、「ヤボ用」で「作業出来ない日」も途中に挟みつつでありますが、
実質「一週間」以上「暇=時間」をかけて仕込みました。
結局「手間」かけた分、「原価は下がる」「美味くなる」。
上を見れば切りがありませんが、そこそこの出来と思っております。

「手間」「暇」かけるのは、作る分量には、ほぼ関係ないので、
今回は「当店で出来る最大量」を仕込みました。
当然の事「余る」訳で、残りは「瓶詰め」で保存。
その「残り」と「鍋にへばり付いてた分」が本日の「賄い」であります。
「鍋」がデカいと、「へばい付いた分」も相当量です。


ご来場頂いたお客様には、「カレー」「演奏」、ご満足いただけたでしょうか?

次回「ライブ」は、10/30(火曜日)です。
18:30開場、19:30開演となっております。
またのお越しを、お待ちしております。
「カレー」も待ってます。

newport宮木英貴


2012年9月26日水曜日

9/25火曜 カップ麺、スーパーのおにぎり、etc.

たまにゃあ、こんな「賄い」。
なんか、確かに飯の用意が面倒なのもある。

「貧乏臭い」我が家の趣味で、
珍しい「カップ麺」を見つけると、ついつい、買ってしまう。
「小さい贅沢」ってやつ。

特に「安売りスーパー」で、
100円を切った上に、珍しい「カップ麺」をみつけると、放ってはおけない。
時たま「50円を切る」何てのもあるが、
そんなのは注意が必要で、だいたいが「賞味期限が直ぐそこ」。

「賞味期限」が迫った「カップ麺」を食べなきゃならぬ。
そんな事も多いのも確かで、単に「飯の支度が面倒」ってだけでもない。

「カップ麺なんて」と、お思いの向きも多いでしょうけど、
「味」が濃過ぎるのも難点だが、その「組み立て」は勉強になる。
メーカーによっては、「良くまあこんなニュアンス」って事もある。

「商品開発」のパワーは、捨てた物ではない。

以前、フランス料理の巨匠が来日時、
「立食い蕎麦何ぞは、勉強途中の若いコックは食っちゃいかん」
との賜っていたが、そんな事は無い。
「どんな物」でも、「勉強」につなげるのが正しい姿勢に思える。
「カップ麺」だって同じ、毛唐が「大きなお世話」だ。


ま、「カップ麺」だけじゃあ、腹が減るから「オニギリ」をプラス。
気休めに、バランスを考えて「サラダ」が付いたりもする。

newport宮木英貴



2012年9月23日日曜日

9/22土曜 具沢山温麺


「素麺」は、夏の名残り「揖保の糸」。
「具」は山盛り、「キノコ」「竹の子」「昆布」「高野豆腐」…。
やっと、温かい麺を「あったかくて美味しいネェ」って食える気候になった。

出汁は、頂き物の「マグロ節の糸削り」。
驚く程濃厚な「味」が出る。

いわゆる「魚の節」ってのは、
冷蔵庫なんて存在もしない昔から、近海で獲れた「魚」を、
どう「保存するか」って方法の一つなんだろう。
調べたら、「カツオ」を干す事は、「縄文」の時代から痕跡があるそうだ。

「カツオ節」「マグロ節」の他にも、
花鰹の材料の「サバ節」やら、「アジ節」「イワシ節」。
「鮭」「秋刀魚」「ニシン」を使ったのもあるそうだ。

「保存」のため、
「塩蔵」したり「干す」って作業までは、想像の範囲としても、
「燻製して干す」「カビを付けて保存性を増す」
なんて作業は、どう発想したものか。
「着目」「転換」「探求」「爆発」「我慢」……………。
長い時間がかかったであろう事も、想像に難くない。

「出汁」を取るには「節」だけじゃあ無くて、
「煮干し」なんてのもある。
「イワシ」「アジ」「トビウオ」…………。

先人の「知恵」には恐れいる。
おかげで、「美味い」思いができる。ありがたいこっちゃ。
東西南北、足を向けて寝れない方向だらけだ。

newport宮木英貴


2012年9月22日土曜日

9/21金曜 ピーマン、じゃがいものツナ缶パスタ


全くお恥ずかしい話しだが、
「ツナ缶」の類いで、同じ様な味付けでの「カツオ缶」があるのを、
つい最近まで、全然知らんかった。

そういや「マイルド」だの「ライト」だの「ファンシー」だの、
名前だけは「TV」やらで、聞いた事があった気がする。
だいたい、種類が色々多過ぎて、それぞれの違いに、
興味を持つ気にさえ、なれない程のリリース量だ。

先日、某「ツナ缶」を食べたら、ヒドい不味かった。
どうも「ヤケに魚臭い」「生臭さが抜けきれない」味。
で、その缶を良く見たら、「カツオ」と書いてあった。
「エッ!ツナ缶てマグロじゃネエの?!」ってなもん。

調べてみたら、材料は「マグロ」と「カツオ」があって、
「マグロ」も部位で種類があって、「身」の形にも種類があって、
「油漬け」と「水煮」があって、その「油」にも「こだわり」があって、
………………、もう百花繚乱。

「缶詰」なんざ、「工業製品」。
「味」にバラつきがあって当然の、「自然」の材料を使った「食品」を、
「大量生産」するにゃあ「味」は思い切り「濃く」しないことには、
均一な品質は保てない事が多いハズ。
まあ、だから「魚の缶詰」は「味噌煮」「しょう油煮」やら、
「味が濃いの」が多いのだが……。

つまりだ、「缶詰」が不味いなんて信じられない事。
よっぽど「センス」が無いメーカーか、「材料」が悪すぎたか。
聞いた事もない「メーカー」の安物だった気もする。
そんな物、買う方も悪いが。


今回の「賄い」、「アンチョビ」の代わりに「ツナ缶」を使う作戦。
基本「アンチョビ」に「火」を入れる時、爆発しない様に「超弱火」がポイント。
同じに「油漬けのツナ缶」を「超弱火」で「火」を入れる。
すると、自分の「油」で「揚がった」みたいに、「カリカリ」香ばしくなる。
「超弱火」で、時間はかかるから、「じゃがいも」でも一緒に入れときゃ、
ついでに「じゃがいも」も「カリっ」となって、いい感じ。
最後に「ピーマン」を炒め合わせりゃ、本日の「賄い」は完成に近い。

この手は、多分先の「不味いカツオ缶」にも行けるんじゃないかな。
美味しくなるかどうかは知らんが、多少「ゴマかし」が効くとは思う。

料理は「ゴマかす」のも大切だい。

newport宮木英貴


2012年9月21日金曜日

9/20木曜 イクラ丼


飯が見えない程の「イクラ」を乗せた、「イクラ丼」何ぞには興味はないが、
やっぱり何か嬉しい、「ニマッ」としてしまう、「イクラ丼」であります。
まあ、根が「魚卵好き」「コッコ好き」でもあるんですが。

この時期「鮭」は巷に溢れ、
その一匹が、ありがたい事に、当店に泳ぎ着いたってところ。
頂いた物に、こんな事言っちゃあ、失礼なんですが、
正直、当初は「多分男の子」と、タカをくくっておりました。
ところが、開けてビックリ「女の子」。
それも「粒」の塩梅もよろしい、元気な「女の子」でした。
「こりゃ、しょう油漬でしょ!」てなもんです。
さながら「ガリガリくん」を食べて、
「もう一本」どころか「一万円」プレゼントに当たった気分。
速攻で、プレゼント主のE藤君に、お礼メールを送ったのでした。

聞いた話しでは、
今時、関西の普通のスーパーにも「生のイクラ」が売られているそうな。
おかげで「イクラのしょう油漬け」は、夢のご馳走じゃあなくなったとの事。
今売られている「イクラ」は、
「ロシア」から「イクラ」だけ、発泡スチロールの箱に詰まって来ているのが主。
どうせ空輸だし、「千歳」に降りようが「成田」に降りようが、
まして「関空」だろうが、時間的にはせいぜい1~2時間違う程度。
物流の発達には舌を巻く。

昔、東京で勤めていた時分、
北海道に里帰りのお土産は、自作の「イクラのしょう油漬け」だった。
それこそ東京では、「イクラ」は「夢のご馳走」だったから、
随分に喜ばれたものだが、今は時代が違うようだ。


「しょう油漬けのイクラ」は、「しょう油の漬け汁」に漬けっ放しにすると、
皮が固くなってしまっていけない。
「プチプチ」感が、「ブチブチ」になってしまう。
漬け時間は、せいぜい30分程度にして、ザルに上げちゃう。
直ぐにも食えないことはないが、「虫」も恐いので、
より「しょう油」が染み込んだと思える、次の日に食べる事にする。
まあ、このへんの心配は、多分「杞憂」で「おまじない」程度の事だろうが。

この「30分イクラ」、
しょう油味も薄くて、飯に「ガッパリ」乗っけても「しょっぱく」なくて、
「イクラ」の濃厚な味を、充分に楽しむ事が出来て非常にグット。
だが、「しょう油味」が薄い分「足が早い」。
サッサか食わねばならぬ。

「コッコ好き」の「我が身」においては、
大量に「食う」言い訳になって良いのだが、
さて、「我が身」の健康上、いつまで無茶食い出来るのやら…。

E藤君ありがとう。

newport宮木英貴



2012年9月20日木曜日

9/19水曜 冷やし中華


「冷やし中華」の、「今日の賄い」での登場回数は、
多分「一二」を争うだろう。
「タレ」は作り置きしているし、その「材料」は何時でも冷蔵庫に有る物。
その上、この「9月」とは思えない、この天気じゃあ…。

そんなこんなで、「冷やし中華」の話は出尽くしている。
そんなこんなで、ちょいと脇に目をやって、
「冷やし中華」に付き物の一つ、「辛子」について……。


「辛子」つまりは「マスタード」。
「辛子」は、「カラシナ」系の種子を「粉」にして、
「水」「ワイン」「酢」「他スパイス」を混ぜて作る。
「カラシナ」自体にも、いくつか種類がある様だが、
その栽培されている地域は、特に限定はないみたい。
日本には大陸伝いに渡って来たとのこと、そもそも日本原産じゃあない。
「和」と「洋」を分けたがる向きもあるが、ナンセンスこの上ない。

「別」が有るとすれば、その混ぜ物で、
例えば、日本では「おでん」等に付けるのは、
基本、「水」「お湯」だけで練った、「辛い」やつ。

有名な「ディジョンのマスタード」は、フランス「ディジョン」地方で作られる。
なんでも「ワイン」を使っているのが「特徴」だそうで、
多分、今「ちまた」にある「マスタード」ってやつの「原型」と思われる。
若干「辛い」く、「酸味」「苦味」が特徴で持ち味。
もっとも、今は輸入物の原料らしいが。

「粒」が混ざった「マスタード」もある。
これは、「粒」のプチプチ感、噛んで弾けた時の「香り」がグット。
「ドイツ産」「フランス産」etc.を試したが、
「辛く」はないが、総じて「良い印象」。

反して、一番不思議なのが「アメリカ」の「マスタード」。全然「辛く」ない。
「ホットドック」に「ケチャップ」並に大量に付けても「辛く」ない。
ちょっとの「酸味」、ちょっとの「苦味」、
イメージとしては、「ディジョンのマスタード」を、水で伸ばした感じ。
「ケチャップ」の「赤」、「マスタード」の「黄」。
色合いの効果しか、感じない。正直、何が良いのか分からない。

かつて日本でも、この「黄色いだけのマスタード」が全盛の時があった。
もう何十年も前の事だ。
その後、「辛さ」だけはある「チューブ」の「辛子」「マスタード」
が売られる様になって、少しは「辛子」らしくはなったが。

おかげで、「自作」の気分は盛り上がる。
当店では、「辛く」て「酸っぱく」て「苦く」て、
「香り」がある「マスタード」を自作している。
もっとも「マスタード」の粉は「洋辛子」を買ってはいるが…。


考えてみれば、外で「冷やし中華」を食べることは、まずない。
「辛子」が付いている事は解るが、それがどんなのかは記憶が不鮮明。
多分「冷やし中華」は、「日本製」「日本食」なはず。
なので、日本の「辛い辛子」かな?

昔、「冷やし中華」の「タレ」に、
流れ込んで、自然に混ざってしまう「マスタード」が付いていた覚えもあるが……。

newport宮木英貴