2014年1月22日水曜日

1/21 火曜 ポークピカタ

「ピカタ」って料理がある。
材料に小麦粉付けて、溶いた「全卵」を衣に、
フライパンで焼き付ける料理。
「卵」に「チーズ」「青味」なんて入れたりもする。

「鶏」「豚」でやる事が多いが、
ちょい気取って「仔牛」やら「魚」でもやるし、
なんなら「いも」やら「カボチャ」「ナス」、「トマト」でも良い。
「出」は、なんでも「イタリア」だそうで「picata」てんだそうだ。


「ピカタ」で思い出すのは、
「始末の心の権化」の様な、先輩の爺コックさん。
「年功序列」が今より当たり前のコックの世界、
当時「彼」の言う事は「絶対」に等しい。

さて「爺さん」、我々の「賄い」を用意する時、
「ピカタにしなさいな」と頻繁に仰せられる。
しかし、それ「通常のトンカツ用ロース肉」の半分の厚さで作らせるのである。
「ピカタは良いやね、肉が大きく見えて」とも仰せられる、
「卵は良いやね、肉よりうんと安くて」とも。

全く同じ理由で「トンカツ」も、彼推奨の一品、
「パン粉を沢山、よーく押し付けるんだよ」と…。
「厚い衣」を彼は「ドテラ」と仰っておった。まあ確にねぇ。

極めつけは「飯釜」の鍋底に貼り付いた飯粒、
彼はそれを丁寧に、まず「水」だけで洗わせ飯粒を剥がさせ、
これをザルに上げ、冷凍して貯めておいて、
良い量貯まったらまとめて「雑炊」作って「賄い」にする。

最初は驚いたが食える物なんだら、
考えてみりゃあ真っ当で「目からウロコ」。
これは「ケチ」とは言わず「始末の心」と言う…事にしておこう。

事は「食い物」だけには止まらない。
「ビニール袋」は洗って、干して、また使う。
「ラップ」の類いもご同様、
「だいたいお前さん達ラップを使い過ぎだよ。
無けりゃしょうがないけどさ、フタってもんがあるんだから。
フタは良いよ、洗やぁ良いんだから。」

さながら現世の「小言幸兵衛」。
まー「彼の」多大な影響を受けて、今に至るのだ。

"newport"宮木英貴




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