2013年1月19日土曜日

1/18金曜 「鹿の筋」丼

「鹿」は、ある程度の「固まり」で入荷するから、
料理のカッコにするにゃあ、「筋」やら「膜」やらを掃除せにゃならぬ。
「筋」は当然、捨てない。
で、良い塩梅に貯まったので、「甘っ辛く」煮込んだ。
「圧力鍋」を使うと、あっと言う間に「トロトロ」「ヤワヤワ」になる。

「とんがらし」入れて、「しょうが」を効かせて…。
「筋」の粘り気のある「トロトロ」感は、やっぱり美味い。

しかしだ、
「甘辛」く「しょうが、とんがらし」が効いた、
その、濃ーい味が付いた「肉片」は、
「鹿」だか「豚」だか「牛」だか、区別は付かぬ。 
正直なところ、自分で「鹿」を使ったから「鹿だ」と思う位。  
それじゃあなくても「鹿」は、「クセ」の少ない肉。
知らずに食べて「鹿」と、気がつく人は、そうはいるまい。

「やっぱり鹿だと思った。」
中には「判る!」と言い張る人がいる。
「別に判らなくったってイイぢゃん。」とも思うのだが。
まるで「判らないのは罪」みたいな顔をしておられる。
「獣臭い」と、おっしゃる。
そもそも「クセの少ない肉」に「濃ーい味」が付いている。
どの味が「獣臭い」んだろう?
自分の勉強の足りなさ、鈍感さに、愕然とする。

以前「豚の鼻」の煮込みを、お出ししていた事がある。
「豚の鼻」は「軟骨」状の部位。
食感は「軟骨」としての「コリコリ」感はあるが、
味的には、そうは特徴のある物じゃあない。
けど、形は「豚の鼻」そのもの。
料理の作り手としちゃあ、「豚の鼻」の料理なんだから、
「豚の鼻」の形してなきゃ面白くないと思うでしょうが。
これが裏目で、「鼻臭い」とお客様は宣う。
「えっ?どの味が?」ってなもの。
ここでも、自分の勉強の足りなさ、鈍感さに、愕然とする。

世には「思い込み」って味が存在するってお話でした。

newport宮木英貴


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