2012年12月7日金曜日

12/6木曜 「秋味」のムニエル


この時期の「鮭」、いわゆる「秋味」の「身」は「パサパサ」だ。
「種の保存」のために、「身の脂っ気」は、「卵」に取られちゃってる。
その「パサパサ」を補うのが、「秋味」の料理の主眼になる。

ちなみに、今時は「輸入」の「鮭」の評価も高い。
「web上」物の資料によると、日本近海の「秋味」と、
輸入物の「チリ産」やら「ノルウェー産」の「鮭」の、
食味による好感度調査では、断然、「輸入物」の勝利だそうだ。
「秋味」の人気は「ガタガタ」って事。

その理由は、何てったって「脂の差」。
日本人の食生活の、「肉好き!」チックな「欧米化」に共なって、
「油脂」の強い物、「旨味」の濃い物、
そして「味」の濃い物が、より好まれる傾向だ。
正直俺だって、軽い塩加減の「鮭」を食う分には「輸入」物に軍配を上げる。

「秋味」を使った「塩鮭」つまり、「新巻鮭」は、
この時期、日本近海で大量に獲れる「秋味」を「塩漬け」した「保存食」。
焼いたら、「塩」が切り身の表面に「粉」を吹き、
「塩蔵」した魚の「発酵臭」が香る、日本古来の「発酵食品」だ。
昨今流行りの「軽い塩加減」=「甘塩」の「鮭」は、冷凍しないと腐っちゃう。
「保存食」でも「発酵食品」でもない。

「新巻鮭」は、日本の伝統的「英知」に他ならない。
「魚の発酵臭」が、「日本人のDNA」を揺り起こし、
「パサパサ」の「鮭」を、美味く食わせることが出来る。
そもそも「パサパサ」を何とかしようってんじゃあ、無かっただろうが。

まー、塩っ辛い「鮭」を食い過ぎりゃあ、体に良い事はないけど、
「ちょっとだけ」食えば良いんだぃ。


「彼の地、ヴェネズエラ」在の時分、
近いせいか安いし、「チリ産養殖鮭」は箱買いしていた。
が、箱を開けると、見たくも無い光景でもあった。
「尾ビレ、背ビレが無い」「油ビレが大きい、小さい」etc.、
下手すりゃ、「魚体」がヒン曲っている。奇形がいっぱいだ。
狭い所で、大量に育てられている。「抗生物質」の投与。……理由もいっぱい。
だいたい「冷凍」無しで、「生」で食えるのは「虫」がいないから。
どうして「虫」がいないのか、考えると恐ろしくなる。
けどまー、これは10年も前の事だし………。

「獲りゃあ」資源は枯渇して行くのは、必至。
「養殖」は、世の流れ、しょうがない。
「養殖」物に比べりゃ、「天然」に近く思える「秋味」だって、
「人工孵化」された「鮭」もが含まれているだろうから、
「どっちが、どう」とも言えないし。

まー、まー、せいぜい、期待したい所であります。

ちなみに本日の「賄い」。
先日の「アヒージョ」風にやっつけておいて、
仕上げに「バター(マーガリン)」「しょう油」。
「粉」付けて焼いて、「バター」風味だから「ムニエル」。
美味かったのは、言うまでもない。

newport宮木英貴


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