2013年10月18日金曜日

10/13日曜 かき揚げ(もどき)うどん


彼の地「ベネズエラ」ぢゃあ、
何カ所かの「日本食レストラン」に勤めていた。

着いて初っ端の店は、「KURO-OBI」と言う名、
「ココロ」は経営者が「少林寺拳法」の先生だったから。
当然「黒帯」かつ日本人、も一つ言えば「ええとこのボンボン」。

出している物ったら、
「白菜」代わりに「キャベツ」が入った「すき焼き」とか、
「コロコロ」転がして作ったライスボールの「寿司」とかetc.。

そもそも、料理の写真を見たって「作り方」までは分からぬ。
「レシピ」見たって詳細は分からぬ。
事は日本料理の事、「ベネズエラ人」には理解不能、
先生だって料理は素人「だいたいそんなもん」で押し通してきた。

ただ「見てくれ」は「金」さえ出しゃ何とかなるので、
やたらと「日本チック」な内装と食器揃えだった。

彼の地じゃあ「そば」は無いが「うどん」なら「小麦粉」がある。
「手打ち」が高じて「冷凍うどん」を商売にする日本人がいて、
「天ぷらうどん」がメニューにあった。

南国育ちのウスラでかい「海老」の天プラが、天を衝いて乗せられていたが、
先生曰く「海老は高い、儲からん。野菜のかき揚げ乗せね?」
ついでに物置から、そこらに良くある「日本風個人用鉄鍋」を出してきて
「これ使お」と仰せられる。
先生、料理の現場にゃあ「手」は出さないけど「口」はお出しになる。

「野菜」は何種かは切って用意しとかにゃいかぬ。
「揚げ油」「うどんを茹でる、汁を作る」の多数の鍋はかけなきゃならぬ。
おまけにつでに「個人用鍋」もかけにゃならぬ。
「5つ口のガスレンジ」は、一つのメニューでほぼ埋まることになる。
仕事が増えるんはけったクソ悪いが、オーナーのおっしゃる事である。

ところが、
これが当たった、もう大当たり、来る客皆がオーダーする程。
ヒットの原因は「野菜のかき揚げであること」と「鉄鍋」。
「日本チックな鉄鍋に野菜が大盛り、それが天ぷらなんだからコクもある。」
何んだか「ヘルシー」だかなんだか分からんが。

「ベネズエラ」の日本料理界は「猫の額」、
首都「カラカス」中の日本料理屋が「かき揚げうどん」を出す始末。
おかげで「かき揚げ」上手になっちまったっちゅう副産物付き。

「かき揚げ」が出るまで随分にかかってしまったが、
何が言いたいかって言うと、
「素人のアイデアは、時に馬鹿に出来ない」って事。
現場は「物理的」「手間的」に、ついつい仕事を制限してしまうが、
その辺無視したところこにこそ、ヒットは生まれるのかもしんない。

昨今は嫁の言うことは聴くようにしている。

ところでこの度の「かき揚げ」も「フライパンで焼き付け」。
だから「もどき」と表現しているんだが、
なんだか「かき揚げ」ならぬ「チヂミ」みたいになっちゃった。
一考が必要なり。


newport宮木英貴


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