特に食いたい物も思い付かない。「賄いです」と言わんばかりに、ちょっと残ったソースもない。ごっそり抱えた在庫もない。けど、だいたいこんな時は、思考がただ停止しているだけで、本当は食いたい物も、ちょこっとソースも、在庫もある事が多い。
自分のキッチンでの仕事は、いつも複数以上同時進行している。考えることが多すぎて、逆に考えが及ばない事も多い。そんな時はこれ、親子丼。ただ決めれば良い。後は体が作る。
大昔、キッチンだけで30人からの人が働いている現場。賄いの準備がたまたま出来てない時、緊急の時、そんな時は親子丼でした。盛りつけにうるさい事言わなきゃ、簡単で、一度に人数分、大量にできる。
洋食のキッチンなら材料には事欠かない。玉ねぎ、鶏肉、卵は、まず必ずある。日本人が働いている所なら米、しょう油は、従業員の口を賄うだけ量はある。作る技術は言うに及ばない。
まず飯炊いといて、有り合わせのジャガイモ、人参、インゲンやらきのこやらetcやらの、切れっ端でみそ汁を作る。きゅうり、キャベツを失敬して、でっかく切って塩を振っておく。何度も言うが、そのぐらいの切れっ端等は、キッチンなら頭さえ使えばいくらでもある。
でおもむろに、ソースパンなど広くて浅い鍋を使って、玉ねぎを油、バター等で炒める。適当に切った鶏肉を投入、適当にいい加減に炒める。水投入、煮だてばしょう油、砂糖等で味。卵を人数分程度割りほぐしたのを、閉じる様に流す。半熟程度に煮て、火を止めてフタ。三つ葉やら、長ネギの斜め小口やらがあると豪華、ここで投入。無論無くてもかまわぬ。これで具は出来た。
飯盛って、具を乗せて親子丼は完成。さっきのきゅうりとキャベツを絞ってチョットレモンでもしぼろか、で、即席つけもの。
親子丼定食と会い成りました。所要時間いい所、飯が炊ける最短時間の45分。
あ~懐かしい。思わず力が入ったぜ。
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