2012年3月12日月曜日

3/11日曜 鶏の三升漬けソース


毎年、あるところから、
インスタント珈琲の空き瓶に入った、「三升漬け」をいただく。
これは、90歳にもならんとするおばあちゃんが、
「青なんばん」を自分で育てる事から始めて、自分の手で漬けた品だ。

ちなみに「三升漬け」は、
「青なんばん」「糀」「しょう油」を「一升」X「一升」X「一升」で漬けて、
合計「三升」で「三升漬け」と言う。

当初は「自宅で豆腐にかける」「ドレッシングにする」「ただ、酒の当てに舐める」等々、
正直、持て余し気味であったが、
ある日、「豚肉」を漬け込んで、「焼く」事を思いついた。
これが、かなりいけた。
「それじゃあ!」ってんで、「メニュー化」を考えた時、
「豚肉」のメニューが他にあったので、「鶏肉」にしてみた。
ところ、鶏の皮の脂と素晴らしいコンビネーション。
目出度く、商品化された。


ところで、その「おばあちゃん」、
「三升漬け」は大嫌い、一口も食べないそうで、
「作る事」、「小樽に届ける事」、「喜んでもらう事」が好きなんだそうだ。

「来年もお願いね。」と言われると、
帰って「青なんばん」を数ヶ月かけて育てて、また漬ける。
で、一年。「やらねばならぬ」事のおかげで生き延びるわけだ。

また、その「おばあちゃん」、
小樽に来るときは、ヒールの高い靴はいて、おしゃれして一人で来るそうだ。
その「ヒール」が心配で、「もう良いよ」って言いたいところなんだけど、
「三升漬け」を作るのを、やめちゃったら……………。
なんで、悩ましい所なんだそうだ。

「三升漬け」には、近所の山で自分で取って、自分で塩漬けにした
「わらび」が必ず添えられていたそうだが、
さすがに「山に入るのはしんどい」と言いだしたそう。
ま、ご家族も心配で止めるんだろうし。
何にしても、まだ「山」なんて事を口に出すだけでも凄いって。

だから、当店の「三升漬け」は、
「おばあちゃん」の生きる原動力の「三升漬け」と言う事。
「力」がこもっている。

年寄りには「やらねばならぬ」事を持つと、長生きするようだ。
そう言えば、例えば「絵描き」の人には長生きの人が多い。
「ピカソ」やら、「シャガール」「ミロ」「片岡珠子」……………。
身近にも一人いる。

年寄りは、働かせろって事?

newport宮木英貴


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