2012年3月22日木曜日

3/21水曜 あんかけ焼きそば

「あんかけ焼きそば」は小樽名物だそうな。

10年も前になるが、某老舗中華料理店でのこと、
ある日曜日、当時はまだ、小樽にも活気があって、
その店は非常に混んでいた。

厨房の周りがカウンター、中が丸見えで、
仕込んだスープが残り少ないらしく、
デカいスープの寸胴を傾けて、料理を作っていた。

そこの料理人である「オヤジ」が、
やおらデカいボールに一杯の「水」を放り込んだ。
何せ、「水道台」だって丸見え、見間違えるはずもない。

「オヤジ」は寸胴を元に戻し、何事も無かった様に仕事をこなし始めた。
ちょい、目を疑った。「だって、ありゃ水だ!」。

驚いた。
「ハー?」ってなもんだ。

しかる後、注文の「あんかけ焼きそば」が
入れたばかりの、水であるはずのスープを使って、
まずは普通の量で、出てきた。
そうこうすると、注文以外の品に見えるほどの、
別盛りの「あん」が、ドンブリ一杯出てきた。
「ごめんなさい。皿に乗りきらなかったんで。」……………。

気を取り直し、
「水だよ、水。」とか思いつつ、一口食べて、またも「驚愕」する。
「いつもと、味変わらん!」
「これぞ、プロの仕事!」
「なんの魔法だ?」
賛辞は、止めどもなくあふれる。

びっくりするのは、その話を外でしても、
人によっては、
ま、だいたいが「青春の一時」をそこで過ごした人だが、
歯牙にもかけないこと。

当たり前だ、食い物の味は、
単に「食い物その物」の味とは限らない。
「想い」とか、「思い」とか、「気持ち」とかが左右する。
肝に命じなければ……………。

料理に携わる人間としては、
納得できる仕事には思えないが......。
所詮、他人の店の事。

そう言った意味では、「名物」もしょうがない…か?

newport宮木英貴


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