コックになって、ある程度の経験を踏んでから以降、
だいたい、どこのキッチンに行っても、「望む望まず」に関わらず、
「賄い」を作っていました。
「嫌い」じゃないから良いんですけど、
そのキッチンのシステムによっては、「賄い」代を取られる所もあって、
「自分で作った"メシ"に、金払うのかい?」なんて事もあります。
楽しいばかりじゃあ、ありません。
「ヴェネズエラ」に居た時分も、
「賄い」係りの「おっさん」「ババァ」が休みの時は、
時間が有れば、「賄い」係りをやってました。
「彼の地」の連中も、「日本食レストラン」での勤めも長くなると、
「カレー」やら「カツ丼」やら「牛丼」やら、「日本的賄い食」の味も覚えちゃって、
「カレー」とか言うと、みんな「ウハウハ」言って食います。
流石「カレー」のパワーは、絶大です。
さて「彼の地」では、「肉」をよく食いますが、
「端っこの肉」「固い部位」「ちょいヤバイ肉」etc.を食うため、
「ひき肉」を使った「家庭料理」が、特に「貧乏人」の食卓にはよく乗ります。
「ミートボール」「ミートソース」、そして「ハンンバーグ」もその一つ。
「パン」に挟めば、「ハンバーガー」って事です。
ある日、例によって、「賄い」係りを押し付けられ、
「端っこの肉」「固い部位」「ちょいヤバイ肉」があったので、
「照り焼き風の"ハンバーグ"にでもすベエ」と作業しておりました。
すると「あー、日本人がハンバーグ作ってる!」との声。
「不思議な物を見た!」と言わんばかりの「目」。
そう言えば、「ひき肉料理」は始めてに近かったかも知れません。
「日本人も"ハンバーグ"食うのか?」ってな物です。
一度なんか、
「日本人が作ったパスタなんぞ、気持ち悪くて食えない。」
なんぞと、言われた事もあったので、
ちょい、ムッとした事も鮮明に覚えております。
さて.........、
「彼の地」で、思った事の一つは、
「日本人と、そう、かけ離れた物を食べちゃあいない。」って事。
「食材」って事でも、増してや、料理の「方法」なんてェのは、
「煮る」「焼く」「蒸す」位しか無いですし、後は、「切った」「貼った」位。
世の中はドンドン狭くなっている、
「コカコーラ」「マクドナルド」は当たり前、
昔と違って、「しょう油」は、海外でも「そこらのスーパー」でも売っている。
今時、「日本人」だから「ヴェネズエラ」だからって、
そんな変わったもの食ってないって。
本来の「価値観」は大差ないのに、違う気がしてるらしい。
違うって勝手に意識している。それだけの事。
「食わなきゃ」生きていけないし、「なら、ちょっと美味い物食うかい。」って思うし。
目指す所は、一緒と心得ております。
newport宮木英貴
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