「カレーそば」なる食い物を、意識し始めたのは、
20台前半、野望を持って「上京」した後の事かも知れない。
当時は金も無けりゃ、「飯」を作ってくれる人も無い。
働きゃなきゃ「飯」も当たらないので、
出勤前、「朝飯」代わりに「立ち喰いそば」には良く行った。
通りすがり、駅前、駅中、etc.。
ベースが「かけ」、「そば」か「うどん」がチョイスできた。
場所によっては、カウンターに入れ放題の「刻んだネギ」。
それに「各種天ぷら」「卵」「わかめ」「山芋」「山菜」……。
「コロッケ」を乗せるのは、驚いた。
で、「カレー」ってのがあって「かけそばか、うどん」に、
とろみのある「カレー」を、ジャっとかけてくれる。
基本的には、渋く「山菜そば」を頼む。
たまさか、金に余裕があると、「山菜」に「かき揚げ」を乗せる。
気が向くと、「カレー」だけをかけてもらって、
「刻みネギ」を山盛り、「とんがらし」を赤くなるまでかけて食う。
そんなスタイル。
「カレー」には「とろみ」がある分、
「汁」とは混ざらないで、「かけそば」の上に止まっている。
「麺」をすくうと、まずは「カレー」が絡まって来るって寸法。
何度も「麺」をすくっているうちに、
「カレー」と、そばの「汁」は混ざり合って行く。
最後に「汁」をすする段になると、
「カレー」に「かつをダシ香る汁」が、混然と混ざり合う。
そう言や、時たま「コロッケ」を乗せていたかも知れない。
子供の頃は「カレー」に、
「うどん」やら「スパゲッティ」を入れていたかも知れない。
けど、ただ、前日の余った「カレー」に入れていただけだと思う。
し、最初から「かつをダシ」「しょう油」が入った「カレー」を食ったのは、
後に、どこかのキッチンの「賄い」での事かも。
今となっては、
最初から「かつをダシ」「しょう油」が入った方のスタイルに固定しているが、
「カレー」と「そばの汁」の二層構造の「カレーそば」も懐かしい。
何にせよ、当時「立ち喰いそば」は、「生活」のお供だった。
「金のある、無し」に応えてくれる、強い見方だった。
時に「セコく」、時に「ちょい豪華」に、
後に、フランスだか何処だかの「四つ星シェフ」が来日時、
「日本の若いシェフは、立ち喰いそばなんぞで、食事をする様では、ダメになる。」
何ぞと、抜かしていた。
まあ「毎日の一食一食が勉強だ。雑に食うな。」と言いたいのだろうが、
「大きなお世話」だ。
「立ち喰いそば」だって勉強だ。
お前に「カレーそば」作れるか!
newport宮木英貴
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